トラックバックしたらリンクがマナー?
9月号の「ココログマガジン」を受信した。いつもは読まずに捨てているのだが、今日はリンクをクリックして、「トラックバック入門」を読んだところ、「文中リンクのないトラックバックは送らないこと」をマナーとして推奨しているので驚いた。「当方の記事への参照がないトラックバックであっても、ほかの読者にとって参考になる記事は歓迎」という意見も併記されていたが、「トラックバック五箇条」の第一として、「なるべく送信先へのリンクをするべし」とするなど、地の文や引用を交えてリンクの推奨が何度も繰り返されている。
自分はHPの下部メニューという位置付けで適当にやってきたので、これまでこういうことをちゃんと考えたことがなかったが、なるほど、トラックバックとリンクをセットにすれば、読者は上流から下流へ下流から上流へと双方向に辿っていくことができる。その利点は理解できる。
しかし、それをマナーとして推奨することには違和感を覚えた。スパムが運営者にとって迷惑であったり、内容的に関連性の乏しいトラックバックが読者にとって迷惑だったりするのはわかるが、リンクを張らないことがどうしてマナーにもとるのか?
もし、それが礼儀正しいトラックバックのあり方だというなら、ココログの機能として、トラックバック設定時にトラックバック送信先へ自動リンクするオプションが用意されているべきではないか。そもそもココログに限らず、ブログの基本仕様として、今のようなトラックバック機能ではなく、「自動相互リンク機能」のようなものが開発されるべきだったのではないか?・・・現実には、そうなっていないのは、トラックバックを生んだブログカルチャーと@niftyのメンタリティにズレがあるからではないかという気がする。
それでは、「リンクがマナー」という発想はどこから出てきたのだろう? トラックバックの送信は、送信先から自分のブログへ強制リンクを張ることだから、おそらく「リンクは、リンク先への恩恵」という認識(私もこの認識が正しい場合は結構あると思う)に基づいて、相互リンクをしなければ、互恵性の規範を逸脱するという考えが出てきたのだろう。
互恵性自体は動物にすら見られる社会的儀礼だが、この規範がリンクを要求しているとしたら、規範への要求が強く働きすぎているという感じがする。当ブログで言えば、この記事の3つ前の記事「解けない謎(『ケルベロス第五の首』)」には、珍しく現在のところ2つもトラックバックが付いているが、それらの送信元のブログからのリンクは今のところ見当たらない。だが、私は別に腹が立たない。なぜなら、私自身は2つのブログの運営者のためになんの努力もしていないからだ。なるほど、彼らはトラックバックを送ることで私のブログから恩恵(無論、人気ブログではないので、微々たるものだ)を受けたかも知れないが、そんなの、見返りを期待するほどのことだろうか?
アフィリエイトなどが流行って、リンクのもたらす損得に敏感になりすぎているのか、あるいは、かつて礼儀正しいと言われた民族独特のメンタリティの現れなのかもしれない。
なお、誤解のないように付記するが、リンクを「マナー」として推奨することに違和感を覚えているだけで、今後、トラックバックを送信する際は、自分なりの判断で必要性を感じればリンクしていきたいと思っている。各自がその都度、必要性を判断すればよいだけのことで、マナーと呼んで半強制化するようなことじゃないだろう。
Post a comment
Comments are moderated, and will not appear on this weblog until the author has approved them.

Comments
手塚さん、情報提供ありがとう。こういう横断的なデータベース検索サービスがあるですね。
話はズレるんだけど、先日、朝日新聞で、Webページはいま全世界で300億ページくらいあるけど検索できるのはそのうちの1%くらいで、残りは暗黒物質のごときものになっている、という記事を読みました。それで、DB化というアプローチは便利だけど、けっこう限界もあるもんだな、と。で、残りの99%(全部とはいわないまでも)を可視化するための、DB化とは別の有効な方策も並行して考えられるべきではないかと思いました。もしかすると、トラックバックをそのためのささやかな機能の一つと捉えることも、あるいは可能なのかも知れませんね。
Posted by: ine | September 07, 2005 at 16:36
「過去の論文のコピーやアカデミックな本を読んだ時、末尾のリファレンスから、(中略)、この分野の研究はその後どう発展していったのかも同じように辿ることができたら便利なのにな、」 こういうの学術論文の世界ではすでにあったような気がしたので調べてみました。
たとえばこんなの。
http://www.thomsonscientific.jp/products/wos/index.shtml
Posted by: 手塚 | September 05, 2005 at 23:56
手塚さん、どうも。投稿しつつ、誰か「そもそもトラックバックとは・・・」と教えてくれないかな、と期待していました。
>歴史的にも元々は相互リンクが想定されていたんではないかなあ。
そうだったんですか・・・
記事を書いていて思い出したのは、過去の論文のコピーやアカデミックな本を読んだ時、末尾のリファレンスから、その分野に関する過去の文献にどんなものがあるか知ることはでるけど、この分野の研究はその後どう発展していったのかも同じように辿ることができたら便利なのにな、と思ったことです。まさに、それを可能にしたのがトラックバックだったのかなと。
そう考えると、過去の文献を引用したり言及したときにリンクしたら、トラックバックもついでにしてあげると読者にとって便利だよ、という発想ならすんなり受け入れやすい。でも、「トラックバックしたらリンク」ってなんか、逆ってという気がするんですよね。
Posted by: ine | September 04, 2005 at 21:43
Biglobe の ウェブリブログの機能にあるブーメランコメントというのが ineさんのいう「自動相互リンク機能」に近いのかな?
トラックバックは movabletype の開発者が考案したものらしい。
歴史的にも元々は相互リンクが想定されていたんではないかなあ。もちろん、リンクの意味は広い意味での参照であって、具体的にリンクを張る(貼る?)こととは限らないと思うけど。
http://www.movabletype.org/trackback/beginners/
Posted by: 手塚 | September 02, 2005 at 00:36